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ARTICLESLGBTQ+やジェンダーレス関係の記事をお届け!

「気持ち悪い」、「変なやつ」

 

女装や男装をしている人、セクシュアルマイノリティと言われる人たちを傷つける言葉はたくさんあります。
(人に言われて傷つく言葉は、これ以外にも沢山あります。)

ですが幸いなことに、近年ではこのような言葉が投げかけられることは無くなりつつあるように感じます。

 

「素敵」、「個性的」など、その人を肯定する言葉が使われることが増えたことに、価値観の変化を感じています。

 

一方で、「気持ち悪いけどそれがいい」、「変なやつだけど個性的だ」といった表現もあります。

 

これらも、相手を肯定している状況だと考えます。前者よりも、肯定の広さや深さを、私はなんとなく感じます。

 

相手を否定しているかと思いきや肯定している。

こうした表現は様々な場面で用いられると思いますが、特に、意外なとある分野において昔から多用されているのではないかと感じています。

 

それが、「コメディ(お笑い、喜劇)」です。

 

私はもともとお笑いが好きでしたが、近年は「つまらないなぁ」と思うことが増え、時には不快感や違和感を抱くことも増えてしまいました。

 

コンプライアンスへの配慮がされているのは明らかなのに……。

男の体や生き方には配慮がないから?嫌々配慮しているように感じるから?それでも違和感が……。

 

しかしながら、娯楽が減るようで嫌だな。

 

文句を感じつつもお笑いネタやトークに触れる中で、自分の中で印象に残る言葉が出てきました。

 

「喜劇と悲劇は表裏」「愛あるいじり」「救いのため」「コンプレックス」「全肯定」

 

自分や身近な人に嫌なことがあった時、かつては我慢したりさせたり……という場合が多かったと思います。

 

しかし、嫌なことを敢えてフラッシュバックさせて笑いに転化する。コメディはこれを随所で行なっているのだと考えたのです。

 

お笑いは人を傷つける……。

 

もしかすると、笑いに転化した本人や身近な人が過去にどこかで受けた傷なのかもしれません。

 

そして理解のある人達。その人の様を肯定してくれる人達とともに嫌な出来事を再現することで、傷を傷ごと肯定する。嫌なことをした奴らへの強烈な皮肉をぶつけている、面白おかしく。

 

そんな様子を観賞しているのだと気づきました。

 

配慮が加わることで、肯定している雰囲気がおかしくなるという矛盾が生じるのも無理ないなと思いました(泣)

 

一般人同士がコメディアンの真似をした場合は、嫌な思いをする人や傷つく人が生まれる場合が多々ありました。「笑いにかえろ」と無理強いする者もいたでしょう。

 

……今もまだいると思いますが、近年で培ってきた価値観の効果が抜群に発揮されてくる場面はここです。

 

「この芸人嫌なこと言うなぁ」という見方から、「こうゆう嫌なこと言う奴いるいる!」という見方に変えてみることを勧めてみます。

 

 

その言動をとった芸人は対象の様を理解し肯定している、なんなら好きかもしれないのです。

 

都合のいいように解釈しましょう。あなたの感性はあなたのものです。肯定感と娯楽を二重取りしちゃいましょう。

 

 

2022年10月執筆。