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あいつらの言葉より俺の言葉で
【ライタープロフィール】
名前:江連
年齢:15歳
生まれた時の性別:女性
キャラクタータイプ:トランスジェンダー
自己紹介:音楽が好き。将来の目標は声優。
音楽が大好きで、吹奏楽でパーカッションをやっている。
歌も得意で、高音は最大の武器。
そんな僕は、トランスジェンダーだ。
そのことを打ち明けたとき、親は『ただの勘違いだ』『本気で性別に関して悩んでいる人に失礼だ』と僕のことを殴った。
認められなくて、僕はとても悲しかった。
そして今も、両親は僕のジェンダーを、微塵も理解してくれていない。
まだ中学3年生の僕だけど、短い人生の中で、一度だけ、親以外の相手に本気で傷付けられたことがある。
僕が新型コロナウイルスに感染したときのこと。
咳のしすぎによって喉が壊れ、歌うときの武器だった高い声が、ほとんど出なくなってしまったのだ。
自声が低くなったこと自体は少し嬉しかったが、正直自分の声がそこまで嫌いだったわけではない。
だから、歌をうたう人間として高音がでなくなったことは、辛かった。
学校では2部合唱をやっていたため、コロナに感染する前は高音パートを歌っていた。
だけど、今の僕には、高音は出せない。
僕は武器だった高音を手放し、戸籍上男性の生徒ばかりの低音パートに移動した。
そこで親友から言われた言葉に、僕は……俺は、酷くショックを受けた。
『女のくせに来るなよ。和が乱れるから。自分が男だって主張したいからって周りに迷惑かけないでくれるかな?』
「あぁ、また僕は受け入れてもらえないのだな」と、思った。
自分らしく生きているだけで、人は批判を受けることがあるんだなと思った。
けれど、家に帰ってきて、とある曲を聴いたとき、僕の心境は少し変わった。
【決め付けられた思い
そんなの壊して
僕たちは操り人形じゃない
君の世界だ 君の未来だ
どんな物語にでもできる】
YOASOBIさんの『祝福』という曲だ。
そうだよね。
あいつらには俺の思いを決めつける権利はない。
自分らしさを貫いて生きていけば、そのうち俺のことを好きになってくれる人が現れる。
俺が主人公の自分だけの人生なんだから。