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ARTICLESLGBTQ+やジェンダーレス関係の記事をお届け!

大学生活を送っていたある日のこと。

 

「自己紹介」をテーマとした作品をつくる授業があった。

 

学科ごとにチームを組み、自分たちの個性を活かした作品を完成させ、最後に鑑賞会を行うというもの。

 

私は展示されたものを見ているとき、ある 1 人の作品が目に止まった。

 

それは、4コマ漫画のようなかたちで自分を紹介する作品。

 

私が釘付けになった人の作品にはこんな一文が書かれていた。

 

「私はトランスジェンダーに目覚め、将来は男として生きていきたい」

 

私はこの文章を読み、感動という言葉では物足りないほどの感情が溢れ、その場から動くことが
できなかった。

 

私は女として生まれ、自分の性について違和感を抱くことなく過ごしてきた。

 

しかし、同性(女性)の人と付き合った経験があること、女の子らしい・可愛らしいよりもカッコいい服装が好きであること、恋愛として好きになる人が男性と限定されていないことなど、「もしかしたら自分は普通ではないのかもしれない」と思ったときもあった。

 

その場合、私は落ち込むことはなく、むしろ「自分は特別なのだ」とポジティブに捉えていたし、このことを人に伝える必要なんてないとも思っていた。

 

「カミングアウト」という言葉を聞くだけで緊張してしまうし、別に伝えなくても自分が思っているだけでいい、周りに気を遣わせてしまうくらいなら言わないほうがいいという結論に至り、“伝える”を手放していた。

 

でも、“伝わる”ことで人の心をどれだけ動かすのかを、作品を見たときに分かった気がした。

自分らしさが“伝わる”ことで、受けとった相手の心を動かす。それがたった 1 人だとしても。

 

これからは、もっと自分らしさについて考え、少しずつでいいから伝えていこうと思う。