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僕の性別は僕
【ライタープロフィール】
名前:たかはし
年齢:23
身体的性別:女
セクシャリティ:X
自己紹介:いつだって自分らしく
昔から、自身に向けられる『かわいい』という言葉が苦手だった。
背が低く、童顔。見た目に対する評価は、「小さくてかわいいね」「赤ちゃんみたいでかわいいね」、そんなものばかりだった。
今の自分になるきっかけは、そんな評価への反発心だったのかもしれない。
僕は現在、Xジェンダーとして生きている。女としても、男としても、見てほしくはない。
この感覚を表す性別は、女ではなく、『X』だと思っているからだ。自身のセクシュアリティに気づいたのは20歳の時だったが、遅い方なのではないかと僕は思う。
それまではずっと女らしい髪型と服装をして生きていた。
今思えば笑ってしまうが、女がかっこいい髪型や服装をすることは、「運動部にしか許されない」と思っていた。
そうでない女は、女らしい格好でいるべきだ、と。それでもずっと『かわいい』は苦手だったし、女性性を押し付けられることも苦手だった。
そんな僕の転機は、あるSNSの配信者を知った時だ。
その人は女性だったが、男性と見紛う(みまがう)ほどにかっこよかった。
その人を見たとき、脳を思い切り殴られたような衝撃が走った。どんな女でも髪を短くしていい。好きな服を着ていい。これが僕の目指す場所だと、思った。
「人間は性別や所属に関係なく好きな格好をしていい」、その時やっと当たり前のことに気づいたのだ。
だから思い切って髪を切った。
レディースの服を捨て、メンズの服を着た。急に変わることが怖くなかったわけではない。
周りの反応は怖かった。
それでも短い髪にかっこいい服装の自分は、誇らしかった。
それまで大して凝っていなかった服に興味が出た。服を選ぶのも、鏡に映ることも、何もかもが楽しかった。
だが、全てが順調だったわけではない。
自身のセクシュアリティに気づくことが遅かったからこそ、「いったい僕は何者なのか」と気になり始めたのだ。人は自分が何なのかわからなければ、不安に思うものだ。
自分が何者なのか、答えを探して学ぶうちに、『Xジェンダー』という性を知り、ひとまず答えにたどり着いた。
本当は女なのだろうか。かわいいという言葉に、反発しただけではないか。
しかし女でも男でもいたくないのだ。
だが男として扱われると嬉しい。
いったい僕はなんなのか。僕の中ではまだ、色々な不安や疑問が渦巻いている。
しかし今は、こうも思う。
短い髪に、かっこいい服装。
そんな僕が一番自分らしく、一番楽しい。
一度の人生なのだから、誰に何を思われようと、僕がなんだろうと、一番望む自分で在ればいい。
そこさえブレなければ、きっと大丈夫だと。